アスベストとは?
昔の建物には頻繁に使いましたが、最近の建物には使われておりません。
但し新建材を使用して建てた、古い住宅には使われている事もあります。
●アスベストとは?
「アスベスト」は、天然に産する蛇紋岩系および角せん石系の繊維状鉱物のことで、「石綿(せきめん、いしわた)」とも呼ばれています。 種類としては蛇紋岩系のクリソタイル(温石綿または白石綿)、角せん石系のクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)などが使用されてきました。 アスベストは、耐熱性、耐磨耗性、耐腐食性などに優れるため、建材を中心に巾広く使用されてきましたが、平成7年4月にクロシドライトとアモサイトの使用が禁止され、平成16年10月よりクリソタイル含有石綿製品10品目の製造が禁止されました。
アスベスト | 顕微鏡写真 | 蛇紋岩 |
●健康への影響は?
アスベストが人体へ及ぼす影響として、石綿肺・肺ガン・悪性中皮腫などがあり、アスベスト作業者が20〜40年の長い潜伏期間を経て発病する場合があると言われています。 石綿肺は、アスベストを取り扱う職業に従事し、長期間劣悪な環境下で作業した労働者に起こるじん肺の一種です。 悪性中皮腫は、内臓を含む中皮にできるガンの一種で、珍しい病気ですが、アスベストの影響で発病率が高くなると言われています。肺ガンは、アスベストと喫煙の相乗効果により、発病率が高くなると言われています。 吹付けアスベストはセメント等の含有率が少ないため飛散性が高く、建物解体時には大気汚染防止法と石綿障害予防規則に基づく飛散防止処置が不可欠です。
●吹付けアスベストとは何?
「吹付けアスベスト」は、アスベストにセメント等の結合材と水を加え混合し、吹付け機を用いて吹付けたもので、1962年(昭和37年)頃〜1975年(昭和50年)に、壁・天井・梁・柱などに防火・耐火・吸音・断熱の目的で使用されました。
また、同様の用途で使用している「吹付けロックウール」にも、1980年(昭和55年)まではアスベストを5%以下混合した場合がありました。 吹付けアスベストを使用した建物は、建築後30年程度経過しており、建て替え時期を迎えつつあります。環境省の調査では、2020年頃にそのピークを迎えると予測しています。これらを背景として、建て替えに伴う建物解体時のアスベスト飛散を防止する目的で、大気汚染防止法が改正され、さらに石綿障害予防規則が施行されました。
●ロックウールとアスベストの違いは?
ロックウールは日本名で岩綿と書くことがあるため、ときおりロックウールとアスベストが同一のものではないかとの誤解を生じることがありますが、以下のように全く別のものです。ロックウールは人造の繊維であるのに対し、アスベストは天然の繊維です。また、ロックウールは非結晶質であるのに対し、アスベストは結晶質です。 ロックウールの単線維の平均径(通常3〜5μ)は、アスベストの単線維に比べて数十〜数百倍太くなっています。
ロックウール (繊維状) |
ロックウール (粒状) |
アスベスト (クリソタイル) |
アスベスト (アモサイト) |