◆住宅ローンの上手な返し方ってあるの??
陳場 | 「ローンの上手な返し方について、ご説明しましょう」 |
J子 | 「上手な返し方なんてあるんですか」 |
陳場 | 「ええ、それがあるんですよ。代表的なものとしては、繰り上げ返済、条件変更、借り換えの3つがあります」 |
J子 | 「ピンとこないけど、どんなものなんですか」 |
陳場 | 「まず、繰り上げ返済ですが、これは、毎月の返済額とは別に、まとまった金額を返済することをいいます。繰り上げ返済した金額は、基本的にはローンの元金に充てられるので、その後の金利も減って、ローン負担が大きく減少します。毎月の返済額はそのままにして、元金と利息が減った分、期間が短縮される期間短縮型と、繰り上げ返済後も返済期間は変えずに毎月の返済額を減らす返済額軽減型があります。どちらも、ローン負担を軽減できますが、同じ金額を繰り上げ返済するなら、期間短縮型の方が軽減効果は大きくなります」 |
J子 | 「まとまったお金が貯まったら、繰り上げ返済すると有利になるのね」 |
陳場 | 「そういうことですね。繰り上げ返済は、なるべく早いうちにすると、支払う利息が大きく減って、負担軽減効果は大きくなります。いくつものローンがある場合には、 (1)金利が高いローン、 (2)返済期間が長いローン、 (3)残高の多いローン の順に繰り上げ返済をした方が有利です」 |
J子 | 「ローンの負担を減らすために、是非、覚えておきたい方法ね」 |
陳場 | 「次に、条件変更ですが、これは住宅ローンの返済条件である、返済期間、ボーナスと毎月の返済比率、返済タイプなどを変更する方法です」 |
J子 | 「具体的にはどういうことかしら?」 |
陳場 | 「たとえば、生活にゆとりのある人だったら、返済期間を短縮して毎月の支払額を増やせば、返済総額を大きく減らすことができます。また、毎月の返済額を一定にする元利均等返済から、元金の返済額を一定にする元金均等返済に変えることによっても、返済総額は減らせます。 |
J子 | 「では、月々の返済が大変な人は、どうすればいいの」 |
陳場 | 「共働きをやめたり、転職などで収入が減少したりして、少しでも月々の返済額を減らしたい場合には、返済期間の延長をすることが効果的です。また、元金均等で返済している場合には、元利均等返済に変えることで、当面の毎月返済額は減少します。このほか、ボーナス返済が多すぎる場合には、ボーナス返済の割合を低くして、毎月の支払いを多くすれば、ボーナスがあまりでない状況にも対応できます」 |
J子 | 「なるほど、いろいろと方法はあるのね。でも、こうした条件変更は簡単に認められるものなの?」 |
陳場 | 「ええ、以前は条件変更が認められないケースも多かったのですが、最近は誰でも手数料を払えば、認められるようになっています。借入先の金融機関に申し出て、変更した場合の返済額などを計算してもらい、十分に納得してから申請するようにしてください」 |
J子 | 「ふーん。そんなに簡単にできるなんて、少しも知らなかったわ」 |
陳場 | 「次に借り換えですが、これは、現在のローンを完済して、他のローンに組み替えることです。たとえば、高金利のローンから低金利のローンへ組み替えたり、旧タイプの不利なローンから新タイプの有利なローンへ組み替える場合が典型です。具体的には、公庫融資は固定金利なので、高金利のときに借りた方は、低金利の民間ローンに組み替えた方が有利なケースが多いようです。ただし、どんな場合でも借り換えた方が有利という分けではありません」 |
J子 | 「といいますと?」 |
陳場 | 「異なる金融機関のローンに借り換える場合には、新規にローンを組む場合と同様の手続き費用や担保設定費用がかかり、最低でも20万〜30万円は必要になります。したがって、ローン残高が少ない場合や、返済期間がそれほど残っていない場合、金利差が小さい場合には、借り換えのメリットはあまりないということになります。1つの目安としては、ローン残高が1000万円以上、返済期間が10年以上残っている場合、借り換え後の金利が1%以上下がる場合には、借り換えを検討してみる価値はあるでしょう」 |
J子 | 「住宅ローンって、借りるまでだけでなく、借りたあとも、無理や無駄がないか、いろいろと見直しをしてみることが大切なのね」 |