◆住宅ローンの上手な借り方ってあるの?
J子 | 「住宅ローンの中身について、もう少し詳しく教えていただけますか」 |
陳場 | 「住宅ローンは、返済方法、金利の種類、借入先の選び方により、使い勝手が大きく異なりますので、それぞれの特徴を理解し、上手に選択することが大切です。まず、住宅ローンの返済方法ですが、最も一般的な返済方法は、元利均等返済です。つまり、毎月返済する元本と金利の合計額が一定になるような返済方法です」 |
J子 | 「毎月の返済額が一定だと、家計のやりくりを考えるときに便利だわ」 |
陳場 | 「そうですね。ですから、住宅ローンの大半が、この元利金等返済になっています。しかし、この方法には欠点もあります」 |
J子 | 「といいますと?」 |
陳場 | 「毎月の返済額は一定なんですが、当初は元金よりも金利分の方が多く、元金がなかなか減りません。返済総額も、結果的に大きくなることになります」 |
J子 | 「もっと、いい方法はないのかしら?」 |
陳場 | 「ええ、元金均等返済という方法があります。これは、元金を毎月均等額返済する方法で、元金は着実に減り、金利を含めた返済額は徐々に減少していきます」 |
J子 | 「だんだん、楽になる方法ね」 |
陳場 | 「そのとおりですね。ただし、当初の返済額は元利均等返済額よりも多くなります。しかし、結果的には、返済総額も少なくなるので、当初の家計にゆとりがある場合には、元金均等返済も検討してみてはいかがでしょうか」 |
J子 | 「毎月、定額でないというのは、ちょっと難しいけど、返済総額が少ないなら、検討してみる価値はありそうね」 |
陳場 | 「次に、金利の種類ですが、前にもお話ししましたように、大きく分けると固定金利と変動金利の2種類があります。 固定金利は、ある一定期間は金利水準が固定されるものをいいます。よく、固定金利というと、借入期間中ずっと金利が一定だと思われる方がいますが、固定金利の期間と借入期間は必ずしも一致しません。金融機関の一般的な住宅ローンでは2年から最長20年の固定が可能で、最近では「フラット35」を代表として最長35年固定といった商品もいくつか出されています。 一方、変動金利というのは、短期プライムレートや長期プライムレートと呼ばれる銀行間の取引の基準となる金利水準に連動して、随時変動していく金利です。一般に、ある時点を取ってみると、固定金利の方が変動金利よりも高めに設定されています」 |
J子 | 「ということは、変動金利の方が得なのかしら」 |
陳場 | 「変動金利の方が低い場合、短期的には確かに変動金利の方が有利なのですが、変動金利は、金利政策の変更や国際金融情勢の変化などにより、短期間に大きく変わる可能性があります。ですから、歴史的にみて低金利といわれている現状では、多少高くても、長期の固定金利を選択した方がいいでしょう」 |
J子 | 「金利の種類と借入先の関係はどうかしら。」 |
陳場 | 「以前は固定金利といえば住宅金融公庫が主流でしたが、最近は、銀行ローンなどでも、一定期間だけ固定金利が適用され、その期間終了後に固定金利と変動金利を再選択できる固定金利選択型のローンなども登場しています。この場合の固定金利は、期間2〜3年では、公庫の固定金利はもちろんのこと、同じ銀行の変動金利より安く、近い将来に多額の繰上げ返済の見込みがある場合には公庫ローンより有利になる可能性があります。また、住宅金融公庫の証券化支援事業を活用する長期固定金利の新型住宅ローン(フラット35)も使いやすくなり、選択の幅が広がっています。」 |
J子 | 「ふーん。いろいろと、便利になっているのね」 |
陳場 | 「このほか、公的融資として、住宅金融公庫以外に、財形住宅融資や自治体融資などがあり、それぞれ特徴があります。 |