住宅ローン控除を受けられる人の条件は?
住宅ローンを借りて家を買うと、所得税の一部が戻ってくる制度がある。
この制度「住宅ローン控除(※)」の内容と、控除を受けるための条件について紹介しよう。
※ 正式名称は「住宅借入金等特別控除」/2007年4月現在の制度内容より作成
住宅ローン控除とは、最長10年(または15年)間、「住宅ローンの年末残高×控除率=控除額」を所得税から差し引ける(控除する)制度。購入・入居した翌年に確定申告をすることで、控除額分が還付される。
控除を受けるためには、「2008年12月31日までに住宅を購入・入居する」など一定の条件があるので注意しよう。
●住宅ローン控除額の計算方法
住宅ローンの年末残高 |
入居する年によって、ローン控除の限度額が違う!
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入居年 |
年末残高の限度額 |
2007年 |
2500万円まで |
2008年 |
2000万円まで |
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×
控除率 |
控除期間「10年」と「15年」の2タイプのうち、どちらかを選択!
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控除期間 |
控除率 |
10年 |
1年目〜6年目
7年目〜10年目 |
1.0%
0.5% |
15年 |
1年目〜10年目
11年目〜15年目 |
0.6%
0.4% |
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=
1年間の控除額 |
控除額は所得税額が限度!
控除額より所得税額が低い場合は、所得税額までしか控除は受けられない |
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住宅ローン控除を受けるなら
2007年中に入居するのがトク |
控除が受けられるのは、2008年中に購入・入居する場合。また、借入額が2000万円より多い場合は、2007年中の入居のほうが、控除額が多くなる。
■住宅ローン控除の限度額
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10年控除のケース |
入居年 |
2007年 |
2008年 |
各年の控除限度額 |
1年目 |
25万円
年末残高2500万円×1% |
20万円
年末残高2000万円×1% |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
6年目 |
7年目 |
12.5万円
年末残高2500万円×0.5% |
10万円
年末残高2000万円×0.5% |
8年目 |
9年目 |
10年目 |
合 計 |
200万円 |
160万円 |
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所得税額が25万円以上であれば「10年控除」のほうが控除額が多い。また、下表のように所得税額22万円でも「10年控除」のほうがトクなケースもある。
ただし、控除額はローン金利や返済期間などで異なるので、銀行や不動産会社の担当者に相談して選ぶことをお勧め。
■「10年控除」と「15年控除」の控除額を比較(借入額2500万円の場合)
(金利3.0%、35年返済)
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10年控除 |
15年控除 |
所得税額 |
25万円以上 |
22万円 |
15万円以上 |
各年の控除額 |
1年目 |
24.58万円 |
22万円
所得税額が限度 |
14.75万円 |
2年目 |
24.16万円 |
14.49万円 |
3年目 |
23.72万円 |
14.23万円 |
4年目 |
23.27万円 |
13.96万円 |
5年目 |
22.80万円 |
13.68万円 |
6年目 |
22.32万円 |
13.39万円 |
7年目 |
10.91万円 |
10.91万円 |
13.09万円 |
8年目 |
10.66万円 |
10.66万円 |
12.79万円 |
9年目 |
10.39万円 |
10.39万円 |
12.47万円 |
10年目 |
10.12万円 |
10.12万円 |
12.15万円 |
11年目 |
控除なし |
控除なし |
7.88万円 |
12年目 |
7.65万円 |
13年目 |
7.41万円 |
14年目 |
7.17万円 |
15年目 |
6.92万円 |
合 計 |
182.93万円 |
174.08万円 |
172.03万円 |
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住宅ローン控除を受けるには以下の条件をすべて満たす必要がある。
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床面積が50m2以上(登記簿面積。パンフレットの面積よりやや小さくなるので要注意!) |
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中古住宅はマンションなど耐火構造は築25年以内、それ以外は築20年以内の建築後使用されたことがある住宅(2005年4月以降に取得する住宅については、この築年数を超えていても「新耐震基準」に適合する物件であれば控除が受けられる) |
■ |
店舗・事務所などの併用住宅または増改築の場合は、居住部分が全体の床面積の2分の1以上 |
■ |
住宅を取得後、6ヶ月以内(2008年12月31日まで)に入居し、控除を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること |
■ |
控除を受ける年の所得が3000万円(給与所得のみの場合は年収が約3336万円)以下 |
■ |
取得した年とその前後2年間(通算5年間)に、「3000万円特別控除」や「居住用財産の買い換え特例」などを受けていないこと |
■ |
住宅ローンは、建物および敷地を取得するための返済期間10年以上のローンであること
(金利が年1%未満の社内融資や、親や親戚から個人的に借りる場合などは対象外) |
住宅ローン控除を受けるには、買った翌年の1月1日から3月15日までに確定申告しなければならない。
なお、サラリーマンの場合は2年目以降は勤務先の年末調整で控除が受けられるので確定申告は不要になる。
確定申告について
詳しくは…